フエーヤー? フエーヤー・・・・・・チョッ!

受験生が、講評だけを辿って、今までにない傾向だとか、難解な問だとか、と言ってみても意味がないのである。

ふじみ野市立てこもり事件から、医療者と患者間での前提の違いを考える

1月27日に埼玉県ふじみ野市で在宅医療をしていた医師らを人質に取って立てこもった事件が起こり、医師は散弾銃で発砲され死亡、理学療法士は重傷を負うなどの結果となった。容疑者は「母が死んでしまい、この先、いいことがないと思った。自殺しようと思った…

『贈与の系譜学』(湯浅博雄、講談社) 感想

半年間もブログを更新していなかった。気がついたら2021年も終わるので、何か最近読んだ本の感想でも書いてみよう。 贈与の系譜学というタイトルを見て、モースで有名な「贈与」に関して、人類学的な視点などを系譜的に追う内容かと考えていたが、実際には違…

エビデンスと保守主義的思考

たまには本職の医療の話でもしてみる。とはいえ、医療系の人間ならよく参照するであろう、最新のエビデンスをまとめたり和訳したりするような内容を書くつもりは全くない。それらは専門職にとって有益ではあるが、筆者の意見はなく退屈だからだ。 ある癌の終…

理解することとわかること

もう随分と前からあらゆる人が言っていることに違いないが、あまりにも頭でっかちな思考が良しとされる風潮が過ぎるのではないかと感じている。 理屈で腑に落ちることを「理解する」、感覚的・身体的に了解することを「わかる」と定義してみる。これは、よく…

触ることと言葉と

気づくとまたブログを更新していなかった。書きたいテーマがあるわけでもないが、今回は「書く」という行為自体に意味を見出して、何かを表出してみたい。 今年は年末年始に連休を取ることができ、暇な時間がだいぶ多く取れて余計なことをいろいろと考えてい…

科学における客観的事実と当為

日本学術会議の一部の構成員の任命を菅内閣が拒否したことが大きなニュースとなっている。政府の方針では、任命拒否という法的プロセスの妥当性に対して判然とする説明はなされず、なぜか日本学術会議という組織そのものの在り方という方向に議論が進んでい…

映画『レナードの朝』感想

またしばらくブログを更新していなかった。大して面白いことも書けないだろうが、久しぶりに映画を見たのでその感想を。 レナードの朝 - 予告編 以前から名作の存在は知っているが、突発的にその作品を見てみたくなることがある。今回、映画自体久しぶりに見…

ALS患者の嘱託殺人ニュースを見て思うこと

夕方にテレビを見ていたら、ALS患者に医師が嘱託殺人をしたと速報が流れた。徐々に詳細がニュースになってきており、SNS上ではあることないこと議論が巻き起こって盛り上がっている。この事件の詳細が明らかにならなければ、今後の議論の方向性が全く分から…

非合理性を認識すること

今年はマックス・ウェーバーの没後100年であるらしい。ウェーバーの死因はスペイン風邪によるものと言われているが、奇しくも100年後のこの時期に新型コロナウイルスが世界的大流行を引き起こしており、妙な共通性をつい感じてしまう。 没後100年ということ…

Zoomがもたらす方向性の転回としての目の拡張

外出自粛が続き、暇な時間が続いている人が多いためか、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた後の世界について語ることが増えてきたように感じる。ポストコロナなる言葉まで登場してきた。 確かに暇を持て余した夢想でもあるかもしれないが、とはいえ外出自…

『ジョーカー』はいつジョーカーになったのか

1か月前に映画『ジョーカー』を見たのだが、その感想を書こう書こうと思っていて時間が経ってしまった。 SNSでもメディアでもたいへんに話題作だったので、いったいどんな作品だったのだろうかと思い、金曜の仕事終わりに映画館まで移動し、レイトショーで作…

他人の人生をわかる困難さ ―映画『ラストエンペラー』をみて

映画『ラストエンペラー』をようやく見た。ようやく、というのは、坂本龍一のラストエンペラーを以前から聴いていて、いつか映画そのものを見たいと思っていたからである。 メインテーマを先行して映画を見るというパターンもあまりないかもしれないが、『戦…

『ボラード病』(吉村萬壱、2014)の感想

PSYCHO-PASSがBSフジで再放送されているのを見ていたら、いわゆるディストピア小説を読みたいと思うようになった。ネットで調べ、『ボラード病』という作品がページ数も多くなく読みやすそうだったので、お盆休みを使ってほぼ1日で読み切ってしまった。 ネタ…

医療と社会的つながり

テレビを見ていたら情熱大陸で上野千鶴子が特集される回だったので、ぼんやりと眺めていた。一緒に見ていた母親がうるさかったので、内容をほとんど把握できなかった。だが、途中で、「日本は家族の呪縛が強すぎる。家族 is the bestという考えが未だにある…

日本人の死体観

筑摩書房の『死体は誰のものか: 比較文化史の視点から』(上田信、2019)という本をタイトルに惹かれて手に取った。漢族、チベット族、キリスト教、日本で、死体がどう扱われてきたか、ということを比較して記している。本書では、「死」「死者」「死去」を…

子どものころ怖かったもの

週に一度はブログを更新したいなぁとぼんやり思っていたら、以前の更新から2か月以上経ってしまった。 日々ニュースを見ていて思っていたところはいくつかある。というか、ニュースに対するTwitterでの人々の反応を見て思っていたことはいくつかある。 なん…

『万引き家族』は「失われたはずのコミュニティの復活」を夢想する私たちの姿だった

今になってようやく是枝裕和監督の『万引き家族』を見ることができた。 物語は6人の人間が万引きや年金を頼りに生活し、最後は散り散りになるというそれだけの話ではある。だが、本当には心が通じない関係性に思える人々が、家族さながら、いや、実際の家族…

PSYCHO-PASSがヒットした要因と実社会への連続性

PSYCHO-PASS自体の魅力はどこにあるかと考えてみると、主人公の常守は体制に疑問を抱く人物が主人公でありながら、自身は厚生省公安局という体制側の人間であるという両義性にある。日常の事件では体制側として対応しつつ、物語全体を通底するテーマは現状の…

PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1『罪と罰』を見た感想

気づけば2か月以上ブログを更新していなかった。コメントもいただいていて、返信しなきゃなぁと思っていたのだが、どうも時間的に余裕がなくて後回しになってしまっている。 さて、1月25日より公開された三部作の映画PSYCHO-PASS Sinners of the Systemの第…

ドイツ旅行8日目(ベルリン観光)

以下の日程で4月の上旬にドイツ旅行に行ってきた。 1日目:フランクフルト到着(フランクフルト泊) 2日目:ハイデルベルク観光(フランクフルト泊) 3日目:フランクフルト→アイゼナハ アイゼナハ観光(アイゼナハ泊) 4日目:アイゼナハ→ヴァイマール ヴァ…

近頃のナショナリズムの風潮を考えてみる

「ナショナリズム」という言葉にいつ出会ったかと考えると、高校の世界史の授業で初めて耳にしたような気がする。アメリカでトランプが大統領になってから、世界各国でミニトランプと言われるような政治家が台頭し、近頃ナショナリズムという言葉が再び耳に…

Eテレ『隠されたトラウマ~精神障害兵士8000人の記録~』を見て思ったこと

ひょんなことから普段使っているTwitterのアカウントが凍結されてしまい、未だに凍結の解除ができずにいるため、しばらくTwitterを眺めていない。Twitterで告知したい内容があったタイミングだったのでかなり不便に感じたが、有象無象のリツイートを見ずに過…

ドイツ旅行7日目(ドレスデン観光)

以下の日程で4月の上旬にドイツ旅行に行ってきた。 1日目:フランクフルト到着(フランクフルト泊) 2日目:ハイデルベルク観光(フランクフルト泊) 3日目:フランクフルト→アイゼナハ アイゼナハ観光(アイゼナハ泊) 4日目:アイゼナハ→ヴァイマール ヴァ…

『その姿の消し方』(堀江敏幸、新潮文庫)レビュー

久しぶりに小説を読んだので、少し感じたことを書いてみる。 その姿の消し方 (新潮文庫) 作者: 堀江敏幸 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/07/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (6件) を見る 堀江敏幸の本を読んだのは『雪沼とその周辺』(新潮…

千田有紀から社会学ディスへ

NHKの番組特設サイトの解説にキズナアイが出ていたことについて、社会学者の千田有紀氏(武蔵大学教授)が批判的な記事を書いたことから、私が観測した範囲でTwitterでは話題になっていた。 学者をディスることはTwitterでは日常茶飯事なので、別に大して気…

ドイツ旅行6日目(ドレスデン観光)

以下の日程で4月の上旬にドイツ旅行に行ってきた。 1日目:フランクフルト到着(フランクフルト泊) 2日目:ハイデルベルク観光(フランクフルト泊) 3日目:フランクフルト→アイゼナハ アイゼナハ観光(アイゼナハ泊) 4日目:アイゼナハ→ヴァイマール ヴァ…

『わたしの哲学入門』(木田元、講談社、2014) 感想

本の感想が連続してしまうが、今回は「わたしの哲学入門」(木田元、講談社、2014)の感想を書いてみようと思う。 わたしの哲学入門 (講談社学術文庫) 作者: 木田元 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/04/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) …

『ヒトラー演説 - 熱狂の真実』(高田博行、中公新書、2014年)感想

今日は以下の本についての感想を書いていく。 ヒトラー演説 - 熱狂の真実 (中公新書) 作者: 高田博行 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2014/06/24 メディア: 新書 この商品を含むブログ (15件) を見る 私は高校生の頃、世界史が苦手で、今でも一般常…

災害や事故を「神話化」して消費すること

以前にEテレをぼんやりと眺めていたら、「SWITCHインタビュー 達人達」という番組で、RHYMESTERの宇多丸と文筆家の畑中章宏という人が対談をしていた。畑中という人は災害民俗学だとかいうことを提唱しているらしい。 私は民俗学の本すらまともに読んだこと…

むかしばなし

最低でも週に1回はブログを更新しようと思っているのだが、気づいたら2週間空いてしまっていてなかなか目標通りに行かない。別にブログで童貞をディスってAV男優と結婚したいわけでもないので、のらりくらりでも良いのだけれども。 なんとなく先日思い出した…