フエーヤー? フエーヤー・・・・・・チョッ!

受験生が、講評だけを辿って、今までにない傾向だとか、難解な問だとか、と言ってみても意味がないのである。

2019-01-01から1年間の記事一覧

『ジョーカー』はいつジョーカーになったのか

1か月前に映画『ジョーカー』を見たのだが、その感想を書こう書こうと思っていて時間が経ってしまった。 SNSでもメディアでもたいへんに話題作だったので、いったいどんな作品だったのだろうかと思い、金曜の仕事終わりに映画館まで移動し、レイトショーで作…

他人の人生をわかる困難さ ―映画『ラストエンペラー』をみて

映画『ラストエンペラー』をようやく見た。ようやく、というのは、坂本龍一のラストエンペラーを以前から聴いていて、いつか映画そのものを見たいと思っていたからである。 メインテーマを先行して映画を見るというパターンもあまりないかもしれないが、『戦…

『ボラード病』(吉村萬壱、2014)の感想

PSYCHO-PASSがBSフジで再放送されているのを見ていたら、いわゆるディストピア小説を読みたいと思うようになった。ネットで調べ、『ボラード病』という作品がページ数も多くなく読みやすそうだったので、お盆休みを使ってほぼ1日で読み切ってしまった。 ネタ…

医療と社会的つながり

テレビを見ていたら情熱大陸で上野千鶴子が特集される回だったので、ぼんやりと眺めていた。一緒に見ていた母親がうるさかったので、内容をほとんど把握できなかった。だが、途中で、「日本は家族の呪縛が強すぎる。家族 is the bestという考えが未だにある…

日本人の死体観

筑摩書房の『死体は誰のものか: 比較文化史の視点から』(上田信、2019)という本をタイトルに惹かれて手に取った。漢族、チベット族、キリスト教、日本で、死体がどう扱われてきたか、ということを比較して記している。本書では、「死」「死者」「死去」を…

子どものころ怖かったもの

週に一度はブログを更新したいなぁとぼんやり思っていたら、以前の更新から2か月以上経ってしまった。 日々ニュースを見ていて思っていたところはいくつかある。というか、ニュースに対するTwitterでの人々の反応を見て思っていたことはいくつかある。 なん…

『万引き家族』は「失われたはずのコミュニティの復活」を夢想する私たちの姿だった

今になってようやく是枝裕和監督の『万引き家族』を見ることができた。 物語は6人の人間が万引きや年金を頼りに生活し、最後は散り散りになるというそれだけの話ではある。だが、本当には心が通じない関係性に思える人々が、家族さながら、いや、実際の家族…

PSYCHO-PASSがヒットした要因と実社会への連続性

PSYCHO-PASS自体の魅力はどこにあるかと考えてみると、主人公の常守は体制に疑問を抱く人物が主人公でありながら、自身は厚生省公安局という体制側の人間であるという両義性にある。日常の事件では体制側として対応しつつ、物語全体を通底するテーマは現状の…

PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.1『罪と罰』を見た感想

気づけば2か月以上ブログを更新していなかった。コメントもいただいていて、返信しなきゃなぁと思っていたのだが、どうも時間的に余裕がなくて後回しになってしまっている。 さて、1月25日より公開された三部作の映画PSYCHO-PASS Sinners of the Systemの第…